神奈川県川崎市の塾|OKUNO塾のつぶやき

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思考力系の問題を小学生から扱う

OKUNO塾では小学生クラスからすでに

思考力を問う算数の問題を授業で扱っている。

 

これは割と珍しい。

 

たとえば、公文であれば計算問題しかやらないし、

大手の集団指導塾であれば、学校で扱う単元しか扱わないので、

基本的に算数に特化した塾などでないと、

思考力系の問題は解く機会がない。

 

 

でもOKUNO塾では小学生クラスの一番下の学年から、

中3まで思考力の問題を教えている。

 

 

ここで、1つ

先日の新5年生のクラスで出した問題を紹介したいと思う。

まだまだ簡単な問題ではあるが、正答率は40%だった。

 

その問題がこちら。

 

「優太さんは、午前10:40に電車に乗り、午後2:35に電車を降りました。また、優太さんは電車に乗ってから50分後に寝て、午後1:20に目が覚めました。」

 

  1. 優太さんは何時間何分電車に乗っていましたか?(答えは3時間55分)

 

 

小5の導入問題なのでゴリゴリの思考力系の問題ではないが、

通常の計算問題との明確に違うことが1つある。

それは関係のない情報が出てくることだ。

 

 

具体的に言うと、

もし通常の計算問題であれば、4つの時刻は出てこない。

「優太さんは、午前10:40に電車に乗り、午後2:35に電車を降りました。」

という問題文になるのが一般的な計算問題である。

 

でも思考力の問題になると、寝ていた時間という余計な情報が加わる。

これだけで、小学生の正答率はガクッと落ちる。

 

なぜ正答率が落ちるのか?

 

それは、

何言ってるのかよくわからないからである。

 

解けなかった生徒に全員共通するのが、

なにも計算式やメモが書けず、

ただただ問題文を見てフリーズしてしまうこと。

この時は3分以上待ったけど、ずっと問題文を読んでから手が動かなかった。

 

 

注目すべき数字が2つしかなければ、

ほぼ頭を使わなくても解けるけど、

それが4つになると、お手上げ状態である。

 

 

逆に解ける生徒は

情報を素早く整理して簡単に問いてしまう。

 

指導をしていて興味深いことは、

この手の問題は、

解ける生徒は一瞬で解けてしまい(なんならめっちゃ簡単じゃんーとか言っている)

解けない生徒は、計算式を書くよりもはるか前段階で、ずっとフリーズしてしまうことである。

 

 

これは大きな差だ。

 

 

では、なぜできる生徒とできない生徒で、

大きく差が開いてしまうのだろうか?

 

 

私個人の意見としては

情報を整理する機会が日常生活にあるかないか?

が最も大きい要因だと考えている。

 

たとえば、子どもにお使いのお願いをしたとする。

 

これだけでも

親の指示の仕方で子どもに情報を整理させられる親とそうでない親とに分かれる。

 

情報を整理させる親

『西友に行って、ピーマン2袋と、人参3本と、卵1パックと牛乳1本買ってきて、牛乳は低脂肪牛乳ね。もしそれがなければ1番安いやつでいいよ。1000円渡すけど、もし足りなかったら、卵は買わなくてもいいよ。逆にお金が余ったら好きなお菓子買っていいよ。』

 

情報を整理させない親

『スーパーでピーマンとにんじんと卵と牛乳買ってきて!』

 

 

コミュニケーションの仕方でこれだけ違う。

前者は、子どもの情報を整理する力をかなり鍛えられると思う。

 

こういう伝え方は、

子どもにとっては分かりづらいよーって思うかもしれないけど

教育的には価値があるよね。

 

 

よく思考力の問題を解けるようにするには、

たくさん本を読んだほうがいいですかね?

とか聞かれるけど、

私はそうではなく、今回のお使いのように、

いかに生活の中で鍛えていくかが大事だと思う。

 

筋肉に負荷をかけて、筋トレをするように

脳にも負荷をかけないと、トレーニングにはならない。

負荷をかけるためには、細かく指示をしたりすることが大事だと思う。

 

特に

ピーマン2袋や、にんじん3本…のように数字を使うこと、

 

そして、

牛乳は低脂肪牛乳ね。もしそれがなければ1番安いやつでいいよ…のように条件分岐をつけることは

 

ひじょーーーに重要な要素だろう。

 

 

ぜひ、ご家庭でも実践していただきたい。