神奈川県川崎市の塾|OKUNO塾のつぶやき

JR南武線 武蔵新城駅|毎日8:30更新

言うだけなら簡単なんだけど

塾講師として働く中で最も大変なこと、

それは「生徒に実行させること」である。

 

言うだけなら簡単。

 

宿題ちゃんとやれよー!

提出物は期限内に出せよー!

毎日勉強しろよー!

自習室に来いよー!

 

 

言うだけでいいなら、誰でもできる。

ロボットでもできる。

 

 

でも実際に実行させるのは、もうめちゃくちゃ大変である。

 

 

この業界にいると、

塾の先生同士の交流もあるから、

いろいろな塾の評判を聞くけど、

プロの先生たちが見ているポイントは、

やはり「生徒たちに実行させる仕組みがあるかどうか」である。

 

 

ここは本当に難しい。

仕組みを作ったり、伝え方を意識しないと、

生徒たちに実行させるなんて不可能だ。

 

 

今回の定期テストでも、

実行させることの難しさを改めて実感した。

(毎回定期テスト期間は、本当に精神的に追い込まれる・・・)

 

 

例えば、学校の提出物。

 

2週間ほど前にテストの範囲表が学校から出され、

そこにワークの提出などが書かれている。

 

自分からどんどんやってくれる生徒はいいけど、

言わなきゃやらない生徒、言ってもやらない生徒は本当に大変だ。

 

 

先生:学校のワークそろそろやらなきゃじゃない?

生徒:明日からやります。

(次の日)

先生:学校のワーク持ってきた?

生徒:あっ忘れました。次自習にきたときに、持ってきます。

(数日後)

先生:学校のワーク持ってきた?

生徒:あっ忘れました。

先生:もういい加減やらないと、期限までに終わらないよ。

生徒:わかってます。

(数日後)

先生:学校のワーク持ってきた?

生徒:あっ学校からは持ってきたんですけど、家に忘れました。

先生:明日は必ず持ってきて!

(次の日)

先生:学校のワーク持ってきた?

生徒:あっまた家に忘れました。

先生:もうさすがに始めないと終わらないから、家に帰って持ってきなよ。

生徒:えーめんどいっす。

先生:明日になったら、余計大変になるよ。

生徒:いや、大丈夫っす。明日から一気に終わらせれば間に合うんで。

(次の日)

先生:学校のワーク持ってきた?

生徒:あっまた家に忘れました。

先生:今すぐ取りに家に戻りな。

生徒:いやぁ。それはだるいっす。

先生:今日はもうだめ。取りに行きなさい。

生徒:はぁあああ!?!?!?!?

 

 

とまぁこんな感じ。こっちが精神的に参ってしまう。

すんなりやってくれればいいんだけど、

勉強がめんどくさいと強く思っている生徒の

行動を変えるのは、本当に、本当に、大変である。

 

逆ギレもされるし。笑

 

たしかに、めんどくさいという気持ちはわかるよ。

でも、ちゃんとやらないと内申点は下がるし、

受験できる高校が減ってしまうじゃん。

 

 

多くの先生に同様のことを話すと、

「さすがにそこまで言っても行動しない生徒は自己責任じゃない?」

と言われる。

でも、私は自己責任という言葉がどうも好きになれない。

 

 

特に生徒たちに対しては、

たとえ反抗されたとしても自己責任で流さず、

しっかりと面倒を見た方が良いと思っている。

 

 

「めんどいっす」って言われても

「はぁ!?」と逆ギレされても、

提出物を出した方が内申点が取れると思うなら、そうさせる。

 

生徒だって、その瞬間はめんどくさいと思っていても、

受験の頃には、ちゃんとやっておいてよかったと思ってくれるだろう。

過去の生徒たちも、内申点を上げておいてよかった。と

振り返る生徒が大勢いる。

 

 

だから、常に広い心でいるのが大事。

 

ってわかっているつもりでも、

反抗されたり、言い訳ばかりされると

こちらの精神状態も悪くなっていく。

 

 

この時いつも、

「そいつはもう放っておけ!」

という心の悪魔が出てくる。

「そいつは何を言っても無駄無駄。」

「言っても聞かないなら、放っておけばいい。」

「成績が伸びなくても、その人のせいなんだし。」

ってね。

 

でも、それをやってしまうと、将来的には良くないよなぁ。

と、心の天使も出てくる。

 

 

きっと仕事で部下が大勢いる人も

同じように悩んでるんだろうなぁ。。。

 

 

ちゃんと実行させようとすればするほど

こちらの精神がキツくなる。

 

 

中学受験の指導をしていたとき、

ノイローゼ気味の親御さんを何名か見たことがあったが、

その時の気持ちがなんとなくわかる。

 

 

言うだけでいいなら、どれほど楽か。

自分の精神力を鍛えないとな。