あわや救急車を呼ぶところだった。
先日の小学生授業のときのこと、私はいつも通り授業を行なっていた。小学生の授業が始まって1時間くらいしたら、塾に中学生が1名自習をしにやってきた。部活がなかったのかずいぶん早く来ていて偉いなぁと感心した。
OKUNO塾は授業スペースと自習スペースがくっついているので、小学生の授業中でも中学生の自習の様子が見える。基本的には小学生の授業中は自習中の中学生に声をかけることはないけど、たとえば、自習室がうるさかったり、寝ている生徒がいると、小学生の授業を5秒ほど抜けて、中学生に声をかけに行くことがある。
その中学生は疲れていたのか、自習室に座って早々に寝ていた。「めちゃくちゃ寝てるなぁー」と思いながら小学生の授業をしていたが、さすがに睡眠時間が長すぎるのは良くないので、「あと5分寝てたら声をかけにいこう」と思っていた。
しかしその生徒はすぐに目を覚ました。そして立ち上がりトイレに向かった。私は、「目が覚めてよかったぁ」と思い、小学生クラスの授業をずっとしていた。
しばらくして、小学生の生徒が「先生トイレに行きたいです」と言ったので「はい行っておいで」と伝えた。しかし小学生はすぐに戻ってきて、「誰か入っていました」とのこと。そこで気がついた。あれ？さっきの中学生まだトイレ入っているの？と。
おそらくトイレに入ってから15分くらいが経過していたと思う。だから嫌な予感がした。トイレで寝ているのではないか？と。まぁでもそのうち出てくるだろうと思い、小学生の生徒にはちょっと我慢してもらった。
しかし、5分経っても10分経っても出てこない。かれこれ25分くらい中にいることになる。ちょうどその頃、小学生授業が終了したので、トイレに行きたがっていた小学生には、申し訳ないけど、スーパーやコンビニのトイレを使ってもらえる？と頼み、帰ってもらった。
小学生クラスが終わり中学生クラスが始まるまで残り20分。その間にこのトイレ爆睡問題を解決しないといけない。
もうしょうがないので、扉をノックして強制的に起こすことにした。
トントントン！大丈夫？寝てない？と確認してみる。
しかし返答がない。あれ？とちょっと焦る。
次は、トントントントントン！！！と大きめにノックをして、「大丈夫！？起きてる！？」と大きめに声をかける。
それでも返答がない。
ここから一気に不安になる。
かなり大きめにノックもしたし、大声もかけたのに全く返答がない。もしや、寝ているのではなく具合が悪くて意識が朦朧としているのでは？などとどんどん不安になっていく。
幸い、入れ替わりのタイミングで生徒は3名ほどしかいなかったので、めちゃくちゃ大きな声でノック。めちゃくちゃ大きな声で呼びかけてみた。
だがしかしそれでも返答がない。
ノックをし始めてすでに1分近く経っているが、何も返答がない。
そしてさらに1分ほどドン！ドン！ドン！ドン！と長時間扉を叩きながら安否確認をした。しかし、残念ながらそれでも返答はなかった。
合計2分ほどノックと声掛けをしたけど、中からの反応は何もない。とりあえずすぐに親御さんに連絡をした。その後もずっと扉を叩き続け、声をかけ続けた。近隣に迷惑になるのでは？と思うほどの音で扉をドン！ドン！叩いていた。他の生徒たちもさすがに心配している。
これは私1人ではもう無理だと感じ、あと数分続けて反応がなければ救急車を呼び、隊員の指示に従おうと思っていた。もしかしたら重度の熱中症か？などと不安に駆られるようになった。
そして、ドンドン！と壁を叩き続けて5分ほど経ったところで、ようやく中から声があった。無事なようだ。本当にホッとした。この5分が永遠かと思うくらい長く感じた。
トイレから出てきた生徒にすぐさま声をかける。大丈夫？体調悪い？と。すると生徒は「すみません、寝てました。。。」とのこと。
えっ！？！？！？
ドンドンってずっと、しかも爆音で叩いていたのに気づかなかったの？と聞くと、「全然聞こえませんでした。」とのこと。めちゃくちゃ爆音だったのに、なんと眠気の方が勝っていたようだ。びっくり！
何はともあれ寝ていただけなのでよかったが、塾史上一番焦ったかもしれない。そして生徒に「頼むからトイレで寝ないで！もうマジで焦った」と伝えたら、本人は笑ってた。
いやいや笑い事じゃないから！！！寿命縮まるわ！！
