毎年、10〜11月から中3の受験生は本腰を入れるべきだと思っている。多くの塾では12月の中旬くらいから入試対策を強化するけど、ってことはそれよりも前じゃないと勝てないよね。OKUNO塾では11月の定期テスト終了後には遅くてもスタートする。科目によっては10月からスタートしていく。
公立高校受験で塾に通っている中3生の8割以上は、おそらく臨海かステップか湘ゼミの神奈川3大大手塾に通っているだろうから、結局彼らとの勝負になる。OKUNO塾のような街の小さな塾でできることは、先取りである。
早めに入試対策を始めて、一点でも多く取れるように頑張る。だからこそ年間のカリキュラムをが早めに終わるようにしてきた。今年は、定期テスト対策期間が長かったので、例年よりは若干後ろにずれ込むけど、基本的にはどの科目も10月中には終わらせられるはずだ。
入試演習で行いたいことは、とにかくパターン学習である。入試予想問題を解き、どんなジャンルの問題が出てきても得点できるようにする。以下、入試対策期間の科目ごとの授業内容と、勉強方法のアドバイスを提示する。
国語:ようやく国語の授業を行う。本文の読み方、問題の解き方を物語文も論説文も行う。そして、最後の資料の読み取り問題は簡単なので、ここで失点しないように工夫する。当然古文も行う。アドバイスとしては、1つだけ「主観を入れない」以上。書いてあることだけを根拠にする。国語の問題がもし、受け取り方がさまざまな解釈に分かれるのなら、問題として成立しない。この国語特有の性質を理解すべき。選択肢3が答え!と決まる理由は、答えの根拠が本文内に記載されているからだ。これを理解していれば、国語は取れるようになる。国語の受験問題とは、答えの根拠を探すゲームである。これを徹底的に授業で教えていく。
数学:入試で難しいとされている関数・平面図形・立体図形をメインに授業を行う。さまざまな「技」を覚えて、問題に対応できるようにしてもらう。1つの問題に対して3つ以上の解き方を思いつけるようになると、数学は安定してトップ層に行ける。また、正解できるをゴールにするのではなく、より短時間で正解できるをゴールにしてほしい。今まで10分以上かかっていたものが、技を覚えると1分で解けるなんてことがある。だから徹底的に技を覚えてほしい。
英語:文法、リスニング、長文と全体的に対策を行う。文法は並べ替えや英作文などがメインになる。文法事項を頭に入れ、たとえば関係代名詞と言われたら、どういうものなのか、パッと説明できるレベルにまでなってもらう。長文は、実際に私が問題を解く様子を見せ、どう解いているのか、何を根拠に解いているのかを見せる。資料の読み取り問題は、毎年重箱の隅をつついてくるので、具体的な解き方を教える。勉強のアドバイスとしては、文法問題をぐるぐると解くこと、そしてDMM英会話のDailyNewsをやることだ。
理科:以前書いたつぶやきの通り(
https://okunojuku.hatenablog.com/entry/2024/08/23/083000
)単元全体を覚えてもらう授業をする。入試問題は単元の中の1つの手順しか出ないけど、それを復習するだけでは、いつまでもその単元全体は覚えられない。問題に出てこなかったところも含めて単元全体を復習する授業を行う。また、日頃の勉強でも、木を見て森を見ずにならないようにしてほしい。理科は、本当に勉強の仕方を工夫しないと伸びていかない。一部ではなく全体を。問題に出てきたところだけでなく全体を復習する勉強をしてほしい。
社会:社会は3つの単元があるのでそれぞれ説明する。
地理:地理は、日本地図と世界地図を用意して、なるべくそこにさまざまな知識を書き込む授業をしていく。地図で勉強するのが基本中の基本。そして、1つの紙にまとめていくこともポイント。テキストやノート、模試や裏紙などいろいろなところにメモをしてしまうと、知識の定着が図りにくくなるのでおすすめしない。また、図表の読み取り問題も最近は多いので、ここも対策していく。地理というより、もはや算数の単元だと思っているので、算数ができない生徒には割合の問題を対策させないといけないかも。
歴史:とにかくあらゆる物事と結びつけて忘れにくくすること。「結びつける」とは、出来事同士の因果関係を理解するだけでなく、たとえば実際に博物館に行って、見たり触れたりして、五感と結びつけて忘れにくくしたり、語呂合わせなど音やリズムと結びつけたりすることも含む。複合的に覚える!これが大事。たとえば勘合貿易の勘合がなんだかわからない生徒は、いつまでも勘合貿易が覚えられない。でも1度資料集で絵を見たり、Youtubeで動画を見たら一気に記憶に定着したりする。こういう工夫が自分でできる生徒は伸びていく。
公民:公民は、正直一番対策する時間は少なくて良い。覚えることが少ないから。生徒が苦労するのは憲法、国会、内閣、地方自治、金融、税、社会保障の7つかな。(正直、税や社会保障は家庭教育でやっていただきたいが...)これも単元ごとにまとめて覚えることが大事。理科の勉強と似ているかも。授業では生徒たちが苦手な単元を中心に総復習を意識しながら授業をしていく。
特色検査:
3年生の勉強が終わった段階で、特色検査の対策をしていくべきだ。今年はサイエンスだけなので、サイエンスであれば、徹底的な過去問演習かな。できれば10年分くらい解いてほしい。また統計データを読み取る能力は高めないといけない。日本のすがた2024 (『日本国勢図会』ジュニア版)などを、愛読書にして、日々読んでいくと良いだろう。