現在、OKUNO塾の中学生クラスは集団授業のみである。
でもゆくゆくは、
個別指導もやりたいと考えている。
集団授業は全体のレベルに合わせて授業を行うので、
あまりにも全体のレベルとかけ離れている場合は
個別の方が良いからだ。
たとえば、現状のレベルで言うと、
生徒の95%が5教科300点以上の点数を取る。
そして約半数が400点以上を取る。
もしそんな塾に、
5教科200点の生徒が来たら、
塾の授業にはついていけない可能性が高い。
そんな場合は、まずは個別指導で鍛える必要がある。
しかも、個別と集団を行き来できるようなシステムにしたいと考えている。
つまり学力が上がれば、
個別から集団に切り替えられるということ。
そうすれば、集団授業の全体の学力バランスが
ある程度揃えられるだろう。
さて、もし個別指導の塾を作るとしたら、
私は絶対に1:1にすると決めている。
そもそも個別指導は1:1なのでは?
と思う方も多いかもしれないが、
先生1人に対して、
生徒が2人〜生徒6人くらいまでを
個別指導と呼んでいる塾が多い。
1:6なんて、もはや集団だろ!と思うけど、
教育業界のよくないところというか、
なるべく人件費を下げたいので、
1:6でも個別と言っている。
(もはや言ったもん勝ち。というかこういう塾に自分の子どもを入れる親御さんは、指導形態を気にしないのだろうか?1:6でどうやって伸びるのだろう?)
ただ、私は個別にするなら
1:6でも1:2でもなく1:1にする。
個別指導の良いところは、
生徒の学力に合わせた指導をすること。
生徒の学力に合わせた指導というのは、
生徒がどう考えて問題を解いているか?
どの問題で苦戦しているか?
逆にどの問題はスラスラ解けているか?
など、プロセスを見る必要がある。
でも、1:2以上だと、
一方の生徒を教えているときは、
もう一方の生徒は放置されるので、
肝心のプロセスが見られない。
これでは生徒に沿った指導はできない。
実際、私自身1:2の個別指導塾で働いていたことがあるが、
1:2や1:3の授業において大事な先生のスキルは
「回す能力」である。
つまり指導力云々よりも、いかに効率よく回すか?
が大事である。
よくバラエティ番組などでも、司会の芸人が
何人ものゲストにうまく話を振っている場面があるが、
この「回す能力」がすごく大事であり、
正直勉強を教えることはほとんどない。
例えば、
一方の生徒を教えているときは、
もう一方の生徒には
「じゃあこのページの1番〜8番まで解いてみようか!もしわからなかったら飛ばして次に進んでいいよ」などと先に指示をする。
間違っても、「わからなかったら聞いてね」とは言わない。
なぜならAの生徒を教えているときに、
Bの生徒から「先生〜質問です〜」
と言われても対応できないから。
新米の先生は、この「回す能力」が低いので、
両方の生徒の板挟みになってあたふたしてしまう。
そういう先生は大体3ヶ月いないで辞める。
ということで「回す能力」が何より大事なのだ。
でも、これでは生徒の学力は上がらないんだよね。
そもそも、勉強が苦手な生徒が、
自分で解説を読んで理解できるケースが少ないので、
しっかりと解説をして解かせないとできるようにはならない。
それがわかっているから、
1:1しかやらないと決めている。
勉強が苦手な生徒は
ちゃんと1から教えないと、
できるようにならないからね。
「回す能力」ではなく
「勉強を教える能力」や
「勉強を楽しませる能力」を先生には求めたいね。