神奈川県川崎市の塾|OKUNO塾のつぶやき

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非を認めるポイントを事前に作る重要性

生徒たちの宿題をチェックしていると、

割とよく見かけるのが勉強のズルである。

 

 

OKUNO塾では毎日の宿題を

写真に撮って先生に提出するので、

誤魔化しがききにくい。

 

 

口頭で宿題の確認をする塾だと、

先生:宿題やったの?

生徒:はいやりました!

で終わるので、いくらでも誤魔化せるけど、

勉強したテキストやノートを写真に撮るとなると、

誤魔化しにくいよね。

 

 

ただ、

こんな状況でもズルをすることなんて

しょっちゅうある。

 

 

ズルの中でも最も多いのが

答えの丸写し。

数学や理科の途中式が必要なものだと判断しやすい。

途中式もなく、答えだけが一発で書いてあると

たいていはズルである。

 

 

一応、生徒に確認はするけど、

講師歴が長くなってきてから

私の確認の仕方は変わってきた。

 

 

昔は、

『途中式ないけどちゃんと解いたの?』

とか

『これちゃんとやってないでしょ!?』

などと聞いていた。

 

 

ただ、こう聞いてもほぼ確実に

『いや、答えなんて写してないです!』

とか

『途中式は別の紙に書いたんです。』

とか言われるので、じゃあもう一回解いてみてと目の前で解いてもらうと、解けない。

 

『あれぇ昨日は解けたんだけどなぁ、おかしいなぁ。』

と大根芝居が繰り広げられる。

 

 

そういう生徒を何人も見てきた。

 

 

その度に、

この生徒は今誰のために演技をしているのだろう?

と思ってしまう。

 

 

これは他の塾の先生に聞いたことだが、

その先生も同様のことがあり、生徒に目の前で解かせたが、案の定解けず、説教をしたらしい。

 

 

そうしたら、その日に親御さんから電話がかかってきて、うちの子が泣いて家に帰ってきました!もう塾辞めると言っているので辞めます!と、かなり怒り口調で言われたらしい。

 

 

でも、話を聞いていると、生徒は親に自分が答えを写していたことは一切伝えず、理不尽に先生に怒られた。みたいな話をしていたようだ。

自分の非なんて絶対認めたくないのだろうね。

 

 

ちょっと脱線した。話を戻す。

 

 

こうなると、

生徒は、自分の非を頑なに認めようとしない。

そこで、

今は生徒への確認の仕方を次のように変えた。

 

 

「これ、途中式もないし答え写してるんじゃない?もし写してないって言うなら、先生の前で解いてもらうけど、どう?」

と聞くようにしている。

 

 

この聞き方にしてから劇的に変わったこと、

それは、一瞬で話が終わること。

 

 

要は、解けるなら実際に目の前で解けばいいのですぐ終わるし、解けないなら嘘をついてもどうせバレるから素直にすみませんって言った方が早いのですぐ終わる。

と生徒たちは思うのだと思う。

 

 

昔のように、

これ途中式なんで書いてないの?みたいに聞くと、

 

途中式だけは別の紙に書いて…

みたいになり、

 

その紙はどこなの?

と聞くと

いや捨ててしまってーとなり、

 

じゃあ解いてみて!

と解かせると、

あれー、昨日は解けたんだけどなぁ。となる。

 

 

 

 

非を認めるポイントをこちらで作ってあげないと

頑なに否定し続けてしまうのだ。

で、こちらも疲弊するし、生徒も疲弊する。

 

 

長い時間説教して効果があるならまだしも、

説教が長ければ長いほど、逆効果になると感じるので、指導法を変えた。

 

 

この指導法の重要性に気付くまでに6年くらいかかり、

実践できるまでにさらに2年くらいかかった。

 

 

気づいてから実践できるまでに2年もかかったのは

頭では怒らないように…と分かっていても

ついつい余計な小言を言ってしまうのは、

簡単には直せないからだ。

 

 

お局さんにならないようにと思っても、

言い訳とかされちゃうと、

心の中のお局さんが出てきてしまうんだよね。

 

 

生徒のためにと思って、ちゃんと伝えているのに、

相手からすれば、あぁまた先生が小言を言い始めた。

となるので、結局ちゃんと伝わらない。

 

 

だから説教は1分以内にスパッと終えたい。

でも難しい。

イライラのコントロールが最も難しい。

だから、こういう精神的な鍛錬を積むのに時間を要した気がする。

 

 

今でも、言い訳をされたり、

どう考えてもバレる嘘をついている生徒を見ると、

ついつい長めの小言を言いたくなるけど、

なるべく、お局さんが出ないように意識している。

 

 

ものを教える立場にいて

最も難しいことは、心の中のお局さんのコントロールだろう。

出てきそうになったら、引っ込め!引っ込め!

と自分自身に言い聞かせるしかない。

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