神奈川県川崎市の塾|OKUNO塾のつぶやき

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中学の定期テストは年々入試問題に近づいている

塾講師として働き始めて、

バイト時代も含めると12年目に突入した。

 

この期間で大きく変わったこと、

それは定期テストの問題形式である。

 

 

昔は、定期テストの問題は

教科書や授業中の先生の板書をベースに

作られていた。

 

英語は、教科書の本文がそのまま出たし、

国語は先生の板書ノートがそのまま出た。

でも、今はそうではない。

 

たとえば英語では教科書の文章は出ず、

初見問題の英語長文が出てきたりするようになった。

もはや入試問題である。

 

社会や理科も、神奈川県の入試問題を

相当意識して問題を作っている。

出題形式も入試と全く同じようにしたり、

選択肢も4択ではなく8択にするなど。

 

 

もちろんすべての中学校で、というわけではないが、

全体の傾向として、かなり入試問題よりになっているのは

間違いない。

 

 

実際「入試問題から定期テストを作成している」と

生徒たちに伝えている学校の先生もいるようだ。

 

 

こうなってくると塾として1つの問題が出てくる。

 

それは教科書に沿ったテキストを使っても

テスト対策にならないということ。

 

 

塾用の教材というのは、

大きくわけて準拠教材と非準拠教材に分かれる。

おそらくほぼ全ての塾では準拠教材を使っているはずだ。

準拠教材とは学校の教科書に沿って、

問題の構成、例文などを決めている教材だ。

 

 

当塾でも他塾と同様、準拠教材を使っている。

でも最近、この準拠教材がテスト対策に使えないと

感じることが多くなってきた。

 

 

英語の教科書の例文を暗記させても、

そもそも教科書の文が1つも出ない。

 

こんなことが起きているのだ。

 

 

だから、準拠教材を使う意義がなくなっている。

 

 

準拠教材は

テスト対策に使える。というのが

唯一の、そして最大のメリットだったのに、

それがなくなってしまった。

 

こうなると準拠教材の

「問題の配置が単元ごとになっていないので教えづらい。」

というデメリットだけが残ってしまっている。

 

 

たとえば英語では

助動詞willを習った後に、なぜか接続詞ifに入る。

そしてthere isの文や、不定詞を習った後に、

また助動詞must、shouldなどを習う。

 

 

助動詞はwillもmustもshouldもmayも

すべて同じ助動詞なんだから同時期に習うべきだ。

 

でも、教科書の配置がそうなっていないので、

準拠教材を使っている塾では、

しぶしぶ、そのへんてこりんな順番で指導をしている。

 

 

指導する側だけでなく、生徒たちにとっても

こういったおかしな配置は記憶に定着しにくいだろう。

 

 

これまでは定期テスト対策ためということで、

しょうがなく、この変な順番で教えていたけど、

これからはちゃんと体系的に教えて行こうと思っている。

 

 

個人塾の良いところは、

こういった方向転換が素早くできるところだ。

以前大手塾の先生に、話を聞いたことがあるのだが、

大手では教材は本部がまとめて数万冊という単位で発注するため、

簡単に教材を切り替えることができないらしい。

(その分、定価の半額ほどで仕入れられるらしい。)

 

 

変化が激しい時代は、

小さな組織の方がうまく行きやすい。

 

今、絶賛来期のカリキュラム決めをしているが、

こういったことにも気を遣いながら

カリキュラム・テキストを決めていきたい。