塾で数多くの生徒を教えていると、
勉強が苦手な生徒によく出会う。
「勉強が苦手」と一言で言っても、
その原因はいくつかあると思うけど、
今回は勉強はしているのに点数が取れない子について話す。
勉強の世界では、
やってもやっても学力が上がらない子は一定数いる。
これはスポーツの世界を考えれば分かりやすいだろう。
毎日練習しているのに、
1軍に入れなかったり、
メンバーに選ばれなかったりする。
個人差があるのは、どの世界でも同じだと思う。
でも、勉強においては、
「やれば伸びる」という考えが
割と多くの方に信じられていると感じるし、
少なくともスポーツよりも見極めにくいと思う。
やっても伸びない子は
もしかしたら学習障害と診断されるかもしれない。
あるいはグレーゾーンと診断されるかもしれない。
専門的なことは私は医者ではないので、わからないけど、
体感では学校のクラスに1〜3名くらいはいると思っている。
で、こういう子は「規則的な学び」を好む傾向にある。
例えば、毎日英単語を20個書きなさい!ということは
進んでやるし、毎日継続できる。
でも、ずっと同じルールで進めがちである。
たとえば「1〜20番までの英単語を毎日書きなさい」と言ったら、
次の日も、3日後も、1週間後も、1ヶ月後も、1年後もずっと1番〜20番の
英単語を書き続けるだろう。
それは、そう指示されたからであり、自分で頭を使って
「もう1〜20番の単語は書けるから次の21〜40番をやろう」とは
なかなかなれない。
とにかく規則的なことをやる傾向にある。
そこに意味を考えたりすることは苦手なのだ。
英単語はまだ書けば良いのだが、
数学などの問題を解かないといけない勉強は
とにかく指示されたことをやることで精一杯である。
勉強をする意味や目的を考えることは苦手だ。
だから、答えを写す。
「できるようになるため」という目的は考えられず、
とにかく指示されたことをやればOK。
となってしまう。
たとえば先生が
1周目は全部英単語を書いて、間違えたものに×をつけよう!
2周目は×のついたものだけをやろう!そして再度間違えたらもう1個×をつけよう!
3周目は××のついたものだけやろう。。。
のように、自分の頭で考えて勉強するよう指示すると、
途端にできなくなる。
こういう勉強をおそらく小学生の頃から続けているので、
なかなか学力が伸びていかないのだ。
でも、抜本的な解決策はそもそもない。
勉強とは相性が悪いと割り切るしかないと思っているし、
勉強以外の得意なことを見つけてあげることが
何より重要だと思う。
それを見誤って、精神論で
勉強しろ!
もっと集中しろ!
と言っても、効果は出ないどころか
むしろ逆効果になってしまうだろう。
勉強はもちろん続けたほうが良いとは思うけど、
優先順位としては、それ以上に、自分の得意なことを
見つけられるよう、いろいろな経験をさせてあげる方が重要だと思う。
そして指導する立場にある我々は、
「繰り返し・同じこと」
「意味や目的を考えることが苦手」
この2つを意識して
指導をしないといけないだろう。