近年の高校入試を見ていると、
読解力を必要とする問題が増えている。
国語は言うまでもないが、理科や数学、社会などに関しても
高得点を取るためには読解力が必要だ。
「読解力」という表現だとやや抽象的なので、
もう少し具体化してみると、
要は、書いてある情報を整理して、理解することだ。
たとえば社会であれば、
図表の読み取りができるかが大事なのだが、
図表に書いてある数字を整理して、理解することで
ようやく得点できる。
つまり、読解力とは
①情報を整理する力
②整理した情報を理解する力
の両方を意味する。
生徒たちを見ていると、
①情報を整理する力の方が弱い印象であるが、
なぜ情報を整理する力が弱いのか?というと、
おそらくLINEの普及にあると思っている。
LINEは非常に短い文章でやり取りをすることが多く、
また読み手になるべくストレスを与えないように、
わかりやすく簡潔に書くことが多い。
たとえば、買い物をお願いしたとすると、
こんな感じのLINEになるだろう。
買ってき欲しいもの(シチューを作りたい)
・牛乳
・たまねぎ2個
・にんじん2本
・豚肉400g(ブロック肉)
情報が簡潔でわかりやすい。
読み手にほとんどストレスがを与えずに
書くのがLINEでは大事なのだ。
しかし、教育上はこの「わかりやすさ」は
むしろ弊害なのではないだろうか?
最近、こんなことを感じるようになった。
つまり、あえてわかりにくいLINEを送るのが
読解力養成にはいいのかもしれない。
たとえば同じ買い物を頼むLINEならこんな感じ。
シチューを作りたいから、牛乳1Lと、にんじんとたまねぎ2本ずつ、豚肉のブロック肉を400g買ってきて欲しい。牛乳は低脂肪牛乳ではないもので1番安いものを買ってきて。玉ねぎとにんじんはバラで売っていれば二本ずつでいいけど、3本以上が袋に入っているのしかなければ、袋入りでもいいよ。豚肉はブロック肉がなければ鶏もも肉を買ってきて。
条件分岐をつけると、だいぶわかりにくくなる。
でも、おそらくこういった文章を日頃から読んでいれば、
だいぶ読解力が鍛えられるのではないかな?
まぁ文章を書く側も大変なのだけどね。。。笑
これから生徒たちとのSlackは、
あえてわかりにくい文章で書いてみようかな。