駿台の英語科の先生が
以下のようなことをおっしゃっていた。
私が教えている駿台予備学校のデータで、「5教科受験の生徒」と「3教科受験の生徒」の「3教科の成績」を比べると、「5教科受験の生徒」のほうがよい。本当は教科を絞ったほうが成績は上のはずですが、結果は逆になっています。
教科同士はちゃんとリンクしていて、ある教科がほかの教科に対して「有効性ゼロ」ということはない。まるで関係なさそうな分野でも共通因子が潜んでいるのです。
戦略的に教科を絞ることはオーケーですが、しかたなく絞るのはダメ。もし迷ったら、5教科を勉強したほうが結果はついてきます。
ここ最近、OKUNO塾でも同様のことを考えている。
中3で私立受験に切り替える生徒たち、
私立は国数英の3教科受験が多いので、
この3科目だけ勉強をします!と言う。
科目を絞るのだから、
当然国数英の結果は上がるだろうと
私自身も思っていたが、
ここ数年の生徒たちを見ていると、
国数英はむしろ下がっていくことがわかった。
(当然、理科社会はさらにすごいスピードで下がっていく。)
だから、科目を絞るのは良くないのでは?
と最近では感じている。
また同様に、
私立の単願を狙う生徒たちは
内申点だけでいいので、公立の受験対策をせず、
学校の定期テスト対策ばかり行っている。
これも、つい最近までは効果があると思っていたが、
数年生徒たちのテストを分析していると、
定期テスト対策だけをしている生徒は、
受験対策を併用している生徒よりも
伸び幅が小さい傾向にある。
科目や勉強内容は、
できるだけ絞らない方が、結果的にうまくいくのではないか?
というのがここ数年の生徒たちを見ていて強く感じていること。
先ほどの駿台の先生も
同様のことをおっしゃっている。
子供はさまざまなもの、あらゆることを抱えるほうがいい。抱えられるときに抱えられるだけ抱える。抱えることをいとわないことが大事なのです。
「ここは入試に出ないんで、勉強しません。」とか
「本番はマークシートだけなので、記述の勉強はやりません。」など、
そういった短期的には効率的に見えるものは、
受験という長期的な学力向上を求める場では、
逆効果につながってしまうことが多いのではないか?
やはり知識というのは、
あらゆることを結びついてこそ、
記憶に定着していくのだと思う。
これは何も国数英理社の
5教科だけのことを言っているのではない。
運動を通して、ゲームを通して、
旅行を通して、食事を通して、
あらゆることを学ぶことができる。
だから、近視眼的にならず、
あらゆる側面から知識を獲得するようにした方が
結果的にうまくいくのかもしれない。
これまで私立受験の生徒は、本人が希望すれば、
理社はやらなくてもいいとしていた。
内申点対策の生徒も、本人が希望すれば、
受験対策をせずに、定期テスト対策を行ってもいいとしていた。
しかし、この考え方を改めないといけないのかもしれない。
もちろん、生徒一人一人個性や得意不得意は異なるので
状況を見ながら判断しないといけないけど、
原則、どんな生徒も満遍なく勉強させる。
という方針に切り替えた方が、良いのかもね。
いやぁ、難しいなぁ。。。